モンスターいるメリット

モンスターは存在そのものが害悪で職場に居ると基本的にデメリットしかない。しかし振り返ってみるとメリットもあった。職場の人間の不満や怒りがモンスターに集中して全員がまとまりやすい。他の細かい不満が消えていく効果があった。かつて職場にはモンスターが複数いるという最悪の職場だった。

幸いモンスターたちは飛ばされたり転職していったりしていなくなっていった。しかしトラブルはなくならなかった。今度は僕が不満の対象となってしまった。あの時は気づかなかったが自分が標的となったのはモンスターがいなくなったことも理由のひとつだった。

いじめられっ子がいなくなったら別の子供がいじめられっ子になるようなものだろうか。悲しいことに人間は誰か犠牲者を必要としてしまうのかもしれない。まあ僕にも問題があったことは間違いないことだ。ただその問題が表面化したのがモンスターがいなくなったタイミングというのは偶然ではない気がする。

戦国大名は家臣をまとめるために外に敵を求めるところがあったという。共通の敵があるというのが人間を一番まとめる方法ということだろう。